診療案内

ピロリ菌外来

こんな症状・お悩みはありませんか?

ピロリ菌を除菌して胃がんや胃・十二指腸潰瘍を 予防しましょう。

ピロリ菌は人の胃の粘膜に生息しているらせん形をした細菌で、正式には「ヘリコバクター・ピロリ」といいます。近年、ピロリ菌が胃の病気の発症に深く関係していることがわかってきました。 ピロリ菌感染期間が長期になるにつれ、胃の粘膜が炎症を起こして急性胃炎から慢性胃炎へと進み、さらに胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎、胃がんといった病気を発症するリスクが高まることがわかっています。 胃・十二指腸潰瘍の80〜90%はピロリ菌感染者といわれており、ピロリ菌がいると一旦潰瘍が治っても、1年以内に多くの方は再発します。ピロリ菌を除菌するとほとんど潰瘍は再発しなくなるので、ピロリ菌感染があれば除菌治療をすべきです。また胃がんの99%はピロリ菌感染者といわれており、胃がんの予防に除菌治療は有効です。特に年齢が若いうちに除菌することで胃がんになる確率を減らす効果が大きくなります。ピロリ菌の除菌は一度成功すると、再感染する事はほとんどないため、若いうちにきちんと除菌する事が大切です。

ピロリ菌の感染経路

ピロリ菌の感染経路については未だよく分かっていません。以前は上下水道などの衛生環境が整っていない時代に食べ物や井戸水などを介して感染すると考えられていましたが、衛生環境がよくなった現在では、ピロリ菌感染者の唾液を介した感染が考えられています。 胃酸の分泌や胃粘膜の免疫能の働きが不十分な子供の頃に感染してしまうことが多いと考えられ、一度感染すると多くの場合、除菌しない限り胃の中に棲みつづけ、増殖を繰り返します。一度ピロリ菌に感染すると炎症が続きますが、この時点では症状のない人がほとんどです。 現在、日本人全体の約半数がピロリ菌に感染しているといわれており、年齢別に見ると、10~20代の若い世代では20%前後なのに対し、40代以上の中高年では80%と感染率が高くなっています。 これは、現代ほど衛生環境が整っていない時代に幼少期を過ごしたため感染したと考えられています。日本人の中高年にピロリ菌感染者が多く、胃がんが多いのはこのためと考えられています。

除菌治療の対象となる方

以前は胃・十二指腸潰瘍や早期胃がんの内視鏡治療後、他に胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)が保険適応でしたが、2013年2月よりヘリコバクターピロリ感染胃炎に対する除菌が保険適応拡大されました。胃内視鏡検査(胃カメラ)で慢性胃炎の所見がある方のピロリ菌検査、除菌が保険適応です。胃内視鏡検査(胃カメラ) → ピロリ菌検査の順番でなければ保険適応になりません。胃に症状が無い方でピロリ菌の有無だけを調べたい方、出来れば胃内視鏡検査(胃カメラ)を回避したい方は、自費でピロリ菌検査を受けていただく方法があります。

検査法

ピロリ菌を調べる検査方法はいくつかあります。

内視鏡を使った検査

迅速ウレアーゼ ピロリ菌の産生するアンモニアを調べる
鏡検法 採取した胃粘膜を顕微鏡でピロリ菌の有無を調べる
培養法 採取した胃粘膜を培養してピロリ菌の有無を調べる

内視鏡を使わない検査

尿素呼気試験 診断薬を服用し、服用前後の呼気を調べる
抗体検査 血液、尿中のピロリ菌の抗体を調べる
便中抗原検査 糞便中のピロリ菌の抗原を調べる

当院では迅速ウレアーゼ検査、尿素呼気試験、抗体検査を行っています。

除菌療法

  • 1次除菌

    胃酸の分泌を抑える胃薬と2種類の抗生物質(アモキシシリンとクラリスロマイシン)を用います。1週間飲んでいただきます。約2か月後に尿素呼気試験で除菌が成功しているか判定します。約9割の方が1回目の除菌療法(1次除菌)で成功します。

    1次除菌に失敗した場合
  • 2次除菌

    初回使用したクラリスロマイシンという薬をメトロニダゾールという薬に変更し2回目の除菌療法(2次除菌)を行ないます。約2か月後に尿素呼気試験で除菌が成功しているか判定します。この1次、2次除菌でほとんどの方が除菌に成功します。

    2次除菌に失敗した場合
  • 3次除菌

    現在、2次除菌でも不成功の場合の治療法で決まったものはありません。当院では比較的多くの施設で行われている組み合わせで3次除菌(保険適応外)を行っています。ご相談ください。

【注意点】除菌が成功すると胃がんにはなりにくくなりますが、胃がんになる危険は残っているので、除菌成功後も定期的な胃内視鏡検査(胃カメラ)は必要です。

当院では胃・大腸内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)も行っております。詳しくは下記よりご覧ください。